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バレエの雑記帳 MENU
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昨日は≪エトワール フランス・バレエのエレガンスAプロ≫を思いっきり楽しんだ私ですが、それ以外にもバレエ関連で色々とありました。
◆ウィーン国立バレエ チケット取り 昨日の10時から一般発売。コジョカルの公演はNBSの先行予約を利用したものの、「先行」とは思えないような(悪い意味で)ビックリするような席が割り当てられたので、それに懲りてやはり一般発売のWEB利用にしました。結果は、ピンポイントとまで行かなくても、自分の希望のブロックが取れたからいいようなものの…。パソコンの前で格闘(?)すること約1時間。9:45くらいにアクセスするも、まずNBSのホームページがなかなか表示されません。(ま、自宅のショボいネット環境のせいもありますけど)。Webチケットのメニューをクリックできたときにはすでに10時過ぎで一回目は「混雑してアクセスできません。時間を置いてから再度アクセスしてください。」みたいなメッセージが出るも、時間を置かずにクリック。今度はOK。でも座席選択のページまで行きついたときはすでに10時15分くらいになっていました。この時点でかなり焦っています。でも、ああ良かった、希望のブロックがまだ数席残ってた~^_^;、ということでまずは確保して、次はクレジットカードの認証…とここでトラブル発生!!すでに希望の座席は押さえたのでここでは焦ることもなかったのですが、パスワードを何度入れてもはじかれてしまうのです。私のミスだったのかカード会社のトラブルだったのか未だによくわかりません。そうこうしているうちにタイムアウト。何と、公演選択からやり直さなければならない事態に。このときすでに10時半過ぎ。ああ、さっきの席なんて残っているわけないじゃん。どうするの?と思いつつ、ここはイライラしても仕方ないので一つ一つまた同じ手順を辿ります。今度はカード決済をやめて、158円余分に手数料がかかってもよいのでコンビニ支払いにしました。すると…さっきと同じ席が残ってた!!よかった~(*^_^*)。ということで今度は順調に手続きを終え、無事に4月29日のマチネ(ルグリがウルリックを踊る回)のチケットをゲットしました。 …で、昨日の夜、もう一度Webチケットにアクセスしたら、ルグリが出演する日の『こうもり』も席種によってはまだ残席がありました。3月にシュツットガルト・バレエのチケット一般発売があるので、そのための参考にしました。 ◆エトワール 主催者の仕切りの悪さに辟易… 昨日は12:30開場、1時開演のマチネに行きました。私が昭和女子大学の正門に着いたのは12時35分頃。人見記念講堂は正門を入って100mくらい歩いた左側にあるのですが…すでに正門まで長蛇の列。それも1列ではなく横に3~4列広がっていてもこの長さ。人見記念講堂の前はもっと人が溜まっていました。私のすぐ後にもどんどん人が来て、とうとう列が正門を塞ぐ形に。さすがの警備員さんもまずいと思ったらしく、詰所を離れて主催者のスタッフと思われる人に「こっち(門側)ではなくあっち(キャンパスの奥の方)に並ばせて!これじゃ車が出られないよ!!」と叫んでいました。おそらくこの感じだと12:30の開場時間にすでにかなりの人が講堂前にいたでしょうから、開場時間を早くするなどの対応をすべきでしたね。開場は開演の30分前、とマニュアルのように決めるのではなく、観客数に応じて、観客が何名でチケット改札(もぎり)のスタッフが何名だと全員入場までにどれくらい時間がかかるか、というノウハウは、たとえばNBSなどの主催者は心得ていると思います。実際、NBSは開場を30分前と公表していても、完売の公演などは45分前に開場したことがあります。さらに東京文化会館などと違って、人見記念講堂は建物の入口がもぎりなので、屋外で待たなければなりません。昨日は真冬とはいえ、お天気が良くて昼間は比較的暖かかったからよかったものの、これが1週間前のみぞれがちらつく天候で、観客が傘をさしていたら、玉川通りの歩道にまで人が溢れていたかもしれません。 休憩時間のトイレやプログラム売場にもまたしても列。2階の男性用トイレは女性用にして、男性用トイレは1階のみにするとか、2階のロビーでもプログラムを売るとか、このあたりもバレエ公演の主催に慣れていないな~、というのがバレバレです。プログラムは途中でスタッフがお釣りを入れたバッグを持って2階のロビーでも手売りをしていましたけどね…。 ◆シュツットガルト・バレエ団来日公演 NBSのホームページには数日前に情報がアップされていたようですが、昨日の会場でチラシをもらって詳細が色々とわかりました。ああ…やっぱり去年の反動で、今年はチケット代の出費が多そう…。でも楽しみ。唯一気がかりなのは一般前売り日。3月10日は1日中仕事です。でも昨日のウィーン国立バレエはルグリが出る日でさえも夜の時点でまだ残席があったので、シュツットガルトは平日の公演なら仕事が終わってすぐに取れば何とかなるかな…と思っています。甘い!? ◆パリ・オペラ座バレエ団『天井桟敷の人々』(日本初演) ああ…また出費が増える~、と思ったらこれは来年2013年の5月、6月の話。今度の呼び屋さんはNBSじゃなくてチケットスペースなんですね。 ◆新国立劇場バレエ セット券の案内のフライヤーを入手しました。もうWebで発表されているので演目などもわかりますが、いちいちパソコンを開けたりネットに接続しなくても一目で公演の予定がわかるので手元に1部あると便利です(^_^)v。ほとんどのキャストが未発表の状態でセット券と言われてもねえ…。とりあえず次シーズン開幕公演の『シルヴィア』は10月31日と11月2日(と言ってもまだまだ先の話)に佐久間奈緒さんがゲストで踊られるので、このどちらかは空けるようにします。 今年はチケット代のやりくりも大変そうですがスケジュールのやりくりも大変そう…。
エトワール フランス・バレエのエレガンス Aプロ
主催者の仕切りの悪さに辟易することが多々ありましたが、公演そのものは素晴らしかったのでよしとしましょう。 ◆ソナチネ 振付:ジョージ・バランシン 音楽:モーリス・ラヴェル ピアノ:榎本真弓 ドロテ・ジルベール/フロリアン・マニュネ 衣裳もごくシンプルで特に物語もなく、音楽もピアノ一台の伴奏のみ。バランシンらしく無駄なものをすべて削ぎ落とした究極の美を見せてもらえたような気がします。10年前のジルベールだったら個性が強すぎてこの作品のシンプルさが活かしきれなかったかもしれませんが、今のジルベールは女性らしいたおやかさを身につけた分だけ、強靭なテクニックがいい意味で中和されて、この作品を踊るに相応しいと思いました。マニュネも正確なテクニックと度が過ぎない気品があって、演目もダンサーもいい選択をしてくれたな~(*^_^*) ◆『ロミオとジュリエット』第1幕よりマドリガル 振付:ルドルフ・ヌレエフ 音楽:セルゲイ・プロコフィエフ シャルリーヌ・ギゼンダナー/ジョシュア・オファルト ギゼンダナーを見ているとスジェだった頃のレティシア・プジョルを思い出します。小柄で小気味のいい踊り方で独特の個性を持っているけど、その個性ゆえに役を選びそう(特に古典のお姫様や妖精はちと厳しいか?)な気がします。この場面のジュリエットはまだロミオと戯れている感じで、命を懸けなければならないほどの恋に陥る前のことで成熟した女性にはまだまだほど遠いとはいえ、ギゼンダナーを見ていると純真無垢な少女というよりちょっとおてんば娘がドレスを着てはしゃいでいるみたい…というのはいくら何でも酷評かしら?ヌレエフの振付のせいもあるかも。でもこれが例えばウルド=ブラームだったら純真無垢な貴族のお嬢様に見えるんだろうな~、という思いもちょっとよぎりました。彼女のポワントも難ありで、とにかくステップを踏むたびに2階席まで聞こえる「コトコト…」という音が気になりました。まあ、彼女の踊り方はとても軽快なので耳障りとまで行かず、場面によっては小気味よさも感じないわけではなかったのですが…。 一方のオファルトはというと、前半はマスクをつけたまま踊っているので表情はほとんどわからないし、そんなに超ウルトラCの技が入っている場面でもないのに、何?この鳥肌は?今一番エトワールに近いプルミエとの噂ですが、最初の1分見ただけでも十分納得。スタイルの良さもさることながら、とにかく何を踊っても全身から気品が溢れているし、眩いばかりのオーラも感じました。 ◆ローラン・プティの『狼』 振付:ローラン・プティ 音楽:アンリ・デュティユー ミリアム・ウルド=ブラーム/バンジャマン・ペッシュ 昨年7月にこの世を去った恩師、プティへのオマージュとしてペッシュがこの演目を選んだのでしょうね。ちょっと「美女と野獣」を思わせる節がありましたが、後でプログラムを買って読んだら、やはりウルド=ブラームは「外見よりも心を選んだ若い娘」という役どころだったんですね。ペッシュの役者っぷりにはもう脱帽。牙をつけているし手足の動きがバレエというより獣なのに、ギリギリのところで様式美を崩さず、あくまでもダンサーとして演じていました。作品自体は特に面白味を感じないのに、この二人が踊ると(特にペッシュの演技力に因るところが大きいけど)濃~いドラマになっちゃうから不思議です。 ◆チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ 振付:ジョージ・バランシン 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー マチルド・フルステー/ヤニック・ビトンクール 出た~!予想はしていたけど、ジルベール以来の超個性的な「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」(もちろんフルステーの方)。彼女のことだから「基本を外す」のではなく「音を目一杯遊ぶ」踊り方をするんだろうな、と思ったらやっぱりそうでした。ここまで来ると「はぁ~、こういう解釈もありですか。」とため息が出ます。でも自分勝手な解釈を加えて作品を壊してる、って感じがせず、むしろ観客には受けていたので彼女はやはり芸術家として天才なんでしょうね。 ビトンクールは着地のときの足のポジションがちょっと甘かったり、サポートも完璧とは言い難いものの、指先は綺麗だし間違いなく近いうちにプルミエに昇進するでしょうし、将来はエトワールになる可能性も大でしょう。すらりと伸びた脚に加え、陽性の温かさが感じられて、ただ気品溢れる王子様だけでなくて、バジルとかちょっとコミカルな役も似合いそう。 ◆『オネーギン』第3幕より 振付:ジョン・クランコ 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー イザベル・シアラヴォラ/マチュー・ガニオ とにかくシアラヴォラのタチアナが凄かった。彼女は年齢的にもタチアナに合っているのも確かですが、ただ立っているだけでタチアナでした。何、これ!?もうシアラヴォラのタチアナに痺れっぱなしでした。マチューはねえ…「ルグリと比べながら見ちゃいけない」と自分に言い聞かせながら見ていましたが、やはり物足りない感じがしました。まずタチアナの部屋に入って来る場面、舞台後方の紗幕の向こうで往ったり来たりするオネーギンの姿がすでに若い、というか蒼い。この場面のオネーギンは背中で語らなきゃいけないんだな、って今日初めて気がつきました。タチアナの部屋に入って許しを乞うべきかそれともこのまま立ち去るべきか、という葛藤、そして若気の至りとはいえ取り返しのつかないことをしてしまった過去の自分への自責の念、後悔などという二文字ではとても表せないやるせない感情、そうした複雑なオネーギンの情念のすべてが、あの小走りしながらやや反ったオネーギンの背中にすべて凝縮されていると思うのです。マチューはまだ顔で演技していたな~、って感じです。(余談ですが髭をつけて老け役を作るとますます親父さんに似てきました。) ただ、そんなマチューの「努力賞」を補って余りあるほどシアラヴォラのタチアナが素晴らしくて、全身鳥肌ものでした。いやあ、本当に凄かったです。第1部ですでにオファルトとシアラヴォラにぞくぞくさせられました。(今、暖房に効いている部屋でパソコンに向かいながらもシアラヴォラのタチアナを思い出して、再びぞくぞくしています。) ◆『ジゼル』第2幕より 振付:マリウス・プティパ/ジョン・コラーリ/ジュール・ペロー 音楽:アドルフ・アダン ミリアム=ウルド・ブラーム/ジョシュア・オファルト このペアはAプロで黒鳥のパ・ド・ドゥを踊る予定だったのを『ジゼル』に変更して正解。ウルド=ブラームのオディール(しかも予定ではヌレエフ版のトロワではなくプティパ版を踊ることになっていたので)も意外性という点では別の楽しみもあったかもしれませんが、この二人の個性を最大限に活かした古典のパ・ド・ドゥだったらやはりこれでしょう。ウルド=ブラームのジゼルはまだウィリになりきれていなくて、人間の温もりや可憐な面影を残していて、それだけにアルブレヒトへの(怨念ではなく)未練もたっぷりで、痛々しいほど健気で、それだけで涙を誘うようでした。オファルトも貴公子っぷりを存分に発揮。後悔の念よりジゼルへの深い愛情がはるかに強くて、ここまで真っ直ぐにジゼルへの愛情が感じられるアルブレヒトも珍しいです。このペアで『ジゼル』の全幕が上演されることがあったら是非見たいです。 ◆『ドリーブ組曲』 振付:ジョゼ・マルティネス 音楽:レオ・ドリーブ マチルド・フルステ/フロリアン・マニュネ オペラ座のダンサーによるグループ公演ではすっかり御馴染みになったこの演目。見れば見るほどマルティネスの才能に感嘆しています。音楽の使い方、女性のヴァリエーションが始まるのかと思いきや女性は冒頭にちょっとだけ踊って実は男性のヴァリエーションでした~という意外性、そしてコーダでの男性の「内向きマネージュ」とか、何度見ても飽きないんですよねえ。しかも踊るダンサーの個性がおもしろいように出るので、むしろキャストを変えて何度でも見たいと思わせてくれます。フルステが「いかにも」なテクニシャンなのに対して、マニュネは「よく見ると実はすごく難しいことをさらりとやっている」何気ないテクニシャンなので二人のバランスも良かったな~、と思います。これがどちらも「いかにも」タイプだと個性のぶつかり合いになっちゃって、この作品の粋なお洒落が台無しだもんね。ギゼンダナーもこういうタイプの作品だったら彼女の良さが生きるのに…とこのときは思いました。 ◆『ドガの小さな踊り子』第1幕より【日本初演】 振付:パトリス・バール 音楽:デニス・ルヴァイヤン シャルリーヌ・ギゼンダナー/ヤニック・ビトンクール プログラムの解説を読むとタイトルからは想像できないような、人間の生々しさを描いている作品だということがわかりました。今回上演された場面はまだ、主人公の少女がバレリーナになることを夢見ていたときなので救いもありますが…。幕が開くと前髪を下ろしてあどけない少女の表情をしたギゼンダナー。照明の当たり方が絶妙で、本当にドガの絵から抜け出して来たようです。これで思わず舞台に引き込まれました…が、暗転したと思った次の瞬間、舞台の袖に小走りで引っ込むギゼンダナーの(姿ではなく)足音。ああ、せっかく暗転したのに、彼女が引っ込む様子が音でまるまるわかってしまうとは…残念。でも照明が点いて次に飄々と表れたのはやや派手な燕尾服を着たビトンクール。彼は第1部のチャイコフスキー・パ・ド・ドゥとは違って、いかにも金持ちそう、でも腹に一物持ってそうな紳士を演じ、ギゼンダナーは可憐だけどちょっと媚びるような視線で踊っていて、ここでも演目選びとキャスティングの絶妙な技を感じました。ギゼンダナーは『ドリーブ組曲』でもよかったけど、こちらの方がはるかに彼女の個性を活かせて大正解!ビトンクールはよく見るとちょっと古風な顔立ちで長身ということもあって、エルヴェ・モローに雰囲気が似てるかな?と思いました。 ◆ローラン・プティの『ランデヴー』 振付:ローラン・プティ 音楽:ジョセフ・コスマ イザベル・シアラヴォラ/バンジャマン・ペッシュ 今日、上演されたプティの2作品は演目・配役表にいちいち「ローラン・プティの」ってついているところがちょっと笑えます。それだけアーティスティック・ディレクターのペッシュはプティへの思いが強いのでしょうね。本当はAプロでこのペアが演じる予定だったのは『アルルの女』なのですが、Bプロで踊る予定だったこの作品に変更となりました。若者が美女に命を奪われる、というプロットは『若者と死』にそっくり、と思ったらこちらの作品は『若者と死』の前年に発表されたものなんですね。音楽もイブ・モンタンが歌う『枯葉』と同じメロディーがところどころ流れるな、と思ったらこの作品の方が先なんですね。 舞台の背景は小粋な中にもどこか危険な香りのするパリの街角、といった感じ。ペッシュが演じる生気のない若者がふらふらと彷徨っているとそこにシアラヴォラ演じる美女。この美女、どこからどう見ても危険な香りたっぷりなのに、若者がなすすべもなく美女の虜になって行く様をハラハラ、ドキドキしながら見ていました。そして最後は…あまりにも残忍な結末にまたしても背筋がぞくぞくしました。今日はシアラヴォラに震わされっぱなしです。 ◆『マノン』第1幕より寝室のパ・ド・ドゥ 振付:ケネス・マクミラン 音楽:ジュール・マスネ ドロテ・ジルベール/マチュー・ガニオ ジルベールのマノンとマチューのデ・グリューが音を立ててピタッと嵌ったような一品。まだそれほど退廃的な香りはしないけど美しさの中に婀娜っぽさを感じさせるジルベール。そして世間知らずだけどマノンへの気持ちは一途にまっしぐらなマチューのバランスがお見事。同じ文学作品を原作としたドラマティック・バレエでも、マチューはオネーギンよりこちらの方が何倍も良かったです!!マスネの美しい旋律に乗って、二人の情熱がほとばしるような、それでいて大げさではないドラマが本当に感動的でした。パ・ド・ドゥの一場面しか見ていないのにお腹いっぱい♪ 最後はフィナーレというほどのことでもなく、『シルヴィア』の第3幕の行進曲(?)に合わせて一人ずつ登場。でも音楽の使い方が何とも中途半端で、ただ出てきてお辞儀をするだけなら音楽いらなかったんじゃないの?と思いました。そういえば各演目が終わった後の暗転とか幕の下ろし方も今一つ。この公演が決まった時点で会場が抑えられず仕方のないことだったのかもしれませんが、人見記念講堂の幕は真ん中が割れずに緞帳が上からゆーったり降りて来るだけなので、演出効果という点ではバレエ向きの会場と言えるかどうか…。 ざっくりとした印象では、女性5人が個性的なのに対し、男性はペッシュ以外は貴公子系が集まっちゃったな、という感じでした。でも今、こうして感想を書き起こしながら今日の素晴らしい公演を思い起こすと、踊りの美しさではオファルトが群を抜いていましたし、ビトンクールは役者として幅広い役どころをこなせそうな期待感が持てます。マニュネは隠れたテクニシャン(でも実はこういう人の方が凄い)で、何でもそつなく踊れそうですし、マチューのスター性はもう言うまでもなく、です。Aプロは男女5名ずつの出演者が全員、第1部と第2部に1回ずつ登場し、計2演目を披露したわけですが、第1部と第2部で5組ともパートナーを変えて来たのはさすが!です。(ロシアのバレエ団だと固定のことが多いですよね。)このあたりもオペラ座の底力を見せ付けられたような気がしました。 もう一つ。どんなに優れたダンサーでも人間である以上はいずれ肉体の衰えと共に踊れなくなる作品、踊れなくなる役は出てくるものですが、それと同じように、ある程度のキャリアを重ねて年を取らなければ踊ってはいけない役、若いうちに踊るべきではない役というのもあると思いました。今日のシアラヴォラを見ていると、オネーギンのタチアナにしてもランデヴーの美女にしても、今日の他の女性出演者が踊ったらまるで違う作品になっていたかもしれませんし、観客を本当に満足させるレベルの演目になっていなかったかもしれません。視点を変えれば、マチューはあれだけの才能に恵まれた人なのですから、きっと十年後のオネーギンはルグリに劣らない名演を見せてくれるはず、そう確信しました。 2時間ちょっとの公演とは思えないくらい、濃い時間を過ごしました。出演者のダンサーに心から感謝♪
今週末開幕の≪エトワール・ガラ≫の出演者が無事に来日したようです。そして東日本大震災の被災地を訪れ、子どもたちのためにレッスンをしたことが話題になっています。
http://www.excite.co.jp/News/photo_news/p-708436/ 今は自分たちのリハーサルも忙しいときだと思うのですが、被災地の子どもたちのためにこのような行動を起こしてくれたダンサーたちに感謝♪ 上記の記事の写真だとドロテは黒のレッスン着。犠牲者の方々への配慮からでしょうか。色々と検索をかけると、石巻だけでなく仙台も訪れ、さらにドロテ以外のダンサーも参加してくれたようですね。 チャリティー公演を開いてくれるのもありがたいことですが、別の形で子どもたちに夢を与えてくれたことに感謝せずにはいられません。週末の公演、楽しみにしています(*^_^*)
新国立劇場が2012 - 2013シーズンのラインナップを発表しましたね。バレエについては下記の通りです。
(公演名の後ろに※がついているものは、単独作品上演ではなく複数の作品上演予定) 2012年10月~11月 シルヴィア 2012年12月 シンデレラ 2013年 1月 ダイナミック・ダンス! ※ 2013年 2月 ジゼル 2013年 3月 Dance to the Future ※ 2013年 4月~5月 ペンギン・カフェ(仮題) ※ 2013年 6月 ドン・キホーテ この他に今年7月には「子どものためのバレエ劇場」として『シンデレラ』を上演予定だそうです。 上記のラインナップのうち、『シルヴィア』と≪ダイナミック・ダンス≫についてはすでに告知されていましたし、昨年末に『くるみ割り人形』が上演されたので今年の年末が『シンデレラ』というのも予想通りでした。後半の4公演についても特に驚きはありませんが、そういえば『ジゼル』は久しぶりだよね~、という感じです。もちろんまだキャストは発表されていませんが、小野絢子さんと米沢唯さんは主役確実? …ということで、ラインナップが発表されてもあまりツッコミどころはありませんでしたf^^;
久しぶりの更新になってしまいました。バレエを見に行かないとどうもブログの更新が鈍り気味ですf^^;。昨年の年23回鑑賞というスローペースとは打って変わって、今年の冬はバレエ三昧、と思いきや、そういえば今週はバレエの予定が一つもありませんでした。次は≪エトワール・ガラ≫まで小休止です。来月になるとボリショイ、Kバレエのシンデレラ、コジョカルの公演などまたしてもちょっと忙しくなりそうです。そういえば最近は山手線などの車内モニターでボリショイバレエの動画広告を目にすることも多くなりました。…で思い出したようにジャパン・アーツのホームページを見ると、あ~やっぱりありました「キャスト変更」。でも主役の変更ではなく、白鳥のロットバルトとライモンダのアブデラフマンのパヴェル・ドミトリチェンコが「劇場側の都合で」(出たー!!)変更になるというもので、ドミトリチェンコは他の日にロットバルトを踊ることに(今は)なっているので、怪我とか病気とか来日キャンセルということではありません。
今月29日は新国の『白鳥の湖』アトレ会員発売日なのですが、まだ迷っています。ミハイロフスキーで白鳥を見て、来月もボリショイで見て、たしか11月にマリインスキーも白鳥を持って来るはず…今回の新国はキャストが今一つしっくり来ません。バレエフェスもあるし貯金(と言ってもチケット代はケタが違うけど)に回そうかな…というのが最近のひとりごとです。 もう一つ、昨日見つけた「へぇ~」な話題。昨年の公演の話ですが、東京バレエ団の『ザ・カブキ』はオープニングを大幅改訂して、そのうちの一つが舞台のあちこちに置かれた(吊るされた)モニターから映し出される数々の映像。あれは高橋竜太さんが作ったものだそうです。高橋さんが自ら撮影して編集もした、ということなのでしょうか。でも確かにそのくらいはやってしまいそう。運動神経と芸術的なセンスは抜群で、バレエダンサーでなくても芸術関係の仕事なら何でもそつなくこなしてしまいそうですもの。できる人は何でもできるものなんですねえ…。
東京バレエ団 ニジンスキー・ガラ
東京文化会館 『レ・シルフィード』で幕が開けると思っていたので、会場に着いて配役表をもらって上演順を見て意表をつかれました…。今回のニジンスキー・ガラを2回見に行けるだけの経済的余裕がない私にとって、マラーホフの牧神と詩人のどちらを取るかで悩んで牧神を取ったわけですが大正解。もちろんマラーホフの詩人も木村さんとは全然違って、もしかしたら自身も(バレエフェスのガラようなふざけたのではなくちゃんとした)シルフィードに化けてしまいそうな繊細な詩人を演じて楽しませてくれると確信していますが、牧神の方がマラーホフの本当の凄みが味わえたと思いますし、木村さんの詩人を見られたのも良かったよね~、と。(あとは正直に書けば、後藤晴雄さんの牧神は違った意味で背筋がぞくぞくしそうなので見送りました。井脇さんのニンフは見たかったけどね。) ◆薔薇の精 薔薇:ディヌ・タマズラカル 少女:吉川瑠衣 タマズラカルの出番がこれ1曲なんてもったいない。マラーホフのようにどこまでもしなやかで危うささえ感じるような薔薇の精と全然違ってタマズラカルのはもっと男性的、というか爽やかな青年の香りが匂い立つような感じ。忠実なナイトが少女に傅いているかのようで、純真無垢な少女がこんな素敵な薔薇の精にエスコートされて踊ったらコロッと参っちゃうよね~、と思いながら見ていました。じんわり感動♪ ◆牧神の午後 牧神:ウラジーミル・マラーホフ ニンフ:上野水香 衣裳のせいもあるかもしれませんが、マラーホフ太った?お腹周りがぽってりしている感じ。それは置いてもマラーホフの牧神、予想通り素晴らしかったというより凄かった。シャルル・ジュド以来のはまりすぎる牧神でした。あの独特のフルートの旋律とマラーホフの牧神の姿がぞくぞくするくらいピタッと嵌っていて、今後、ここまで感動的な牧神を演じるダンサーが出てくるかどうか…。それに引き換えニンフは…。ああ、井脇さんで見たかった。 ◆レ・シルフィード プレリュード:吉岡美佳 詩人:木村和夫 ワルツ:高木綾 マズルカ:田中結子 コリフェ:乾友子‐渡辺理恵 ああ、やっぱり吉岡さんと木村さんはベテランだな、と思いますしこの二人のパートナーシップも単にリハーサルだけで築いたものではなく、長年同じカンパニーで苦楽を共にしてきた仲間の絆なんだな、と感じるものがありました。高木さんは足音が小さいし腕も柔らかくてふわふわ感がよく出ているのに跳躍すると何だか重い。なんで?着地したときの足音は(たぶんポワントのせいでしょうか)吉岡さんの方が大きいのに、吉岡さんは本当に空中を漂っているような透明感がありました。これがキャリアというものでしょうか。マズルカの田中さんもまずまずでしたが、それ以上に注目したのがコリフェの二人。変に目立たないのにコール・ドを引っ張っている感があってよかったです。コール・ドの中ですらりとして愛らしい丸顔で目を引くダンサーがいるな、と思ったら沖香菜子さんでした。なるほど、子ども向けとはいえ『眠り』で主役に抜擢されるわけです。オーロラとかオデットは踊りの技術とは別次元の「華」って大事ですよね。他にコール・ドで目を引かれたのは矢島まいさん。首から肩のラインがきれいだし腕の使い方が繊細でこういう白物(?)にぴったりでした。コール・ドはよく揃っていたし、このバレエ団の課題(?)だった足音もずいぶん軽減されました。 ◆ペトルーシュカ ペトルーシュカ:ウラジーミル・マラーホフ バレリーナ:小出領子 ムーア人:後藤晴雄 シャルラタン:柄本弾 マラーホフの見事な演技力もさることながら、この作品を見ると、東京バレエ団のダンサーの役者っぷりがよくわかります。一人一人の顔がわかるような距離で見たら「へえ、〇〇さんがこんな演技をするのね~」という意外な発見もあったでしょうし、今回のように3階から見下ろす位置だと舞台の隅々までダンサーの芝居を楽しむことができます。 柄本さんのシャルラタンは今回が初役でしょうか。由良之助といいシャルラタンといい、ポスト高岸路線を行っていますね。高身長と印象的な顔立ちは確かにこういう役に向いているかも。でも高岸さんのような毒気(?)はまだまだ。高岸さんは芝居小屋のカーテンから顔を出しただけで何とも言えない不気味さがあったもんね。ムーア人の後藤さんは予想通り。いい仕事してくれたな~、って感じです。 マラーホフは「牧神」同様に、この役を演じるためにダンサーになったのではないかと思うほど。あるいは、歴史を感じさせる作品なのに、マラーホフのために創られたと言われればにわかに納得してしまいそうなくらい、マラーホフのペトルーシュカにすっかり引き込まれました。人形でも人間でもなく、そのどちらでもあるようなペトルーシュカにすっかり感情移入してしまい、最後に亡霊となって現れた場面はまたしてもぞくぞくしました。 そして私にとって、マラーホフのペトルーシュカと同じかそれ以上に度肝を抜かれたのが小出さんのバレリーナ。元々、可憐な容姿がこの役に合っているのもさることながら、可愛らしいだけでここまでの演技はできないでしょ、というレベルでした。というよりそもそも「演技」に見えないのです。人形でありながらあまりにも人間的な感情を持ちすぎて自らの悲劇を引き起こしてしまうマラーホフのペトルーシュカと対極で、小出さんのバレリーナ役はダンサーでもプリマでもなく、まさに「人形」そのものなのです。彼女を思うペトルーシュカの気持ちに全く気づいていないか、あるいは気づかないふりをしているのか、そうした人間的な感情や温もりが一切感じられず、本当に外見が可愛いだけのお人形さんでした。ここまで徹底的に心の機微までも封印して踊るには演技力だけでなく高度な技術も必要なわけで、他の女性プリンシパルにはない、小出領子という本物のバレリーナの凄さを感じました。 プログラムを買っていないのでそれ以外の細かい役はわかりませんし、「コテコテのロシアンメイク」をしていたり被り物をしている役もあるので、オペラグラスを覗いても誰だかわからない人が結構いました。そんな中でたぶんこの人かな?とわかったのが、(以下、間違っている可能性があります。悪しからず。)まずは一番目立ついかにもロシアの貴婦人、なのが高木綾さん。軽業師が高村さんと佐伯さん。軽々とコサックダンスを踊っていたのが長瀬さんと宮本さん。旦那衆で一番ロシアンテイストが出ていたのが高橋竜太さん。彼はカーテンコールのときもロシア人になりきっていて素晴らしかったです。あとは(役を勝手に命名f^^;)バイキンマンは踊っているときに被り物をつけていてわからなくても「あの身軽さは小笠原さんか氷室さん」と思ったらやっぱり小笠原亮さんでした。それからジプシーの女性二人が奈良さんと田中さん。身長といいあの顔立ちといい輪郭のはっきりした踊り方といいピッタリ~!! …で今日の残念賞は再びオーケストラ。彼らも一生懸命演奏してくれているのはわかる。でも一方で「プロなんだから」と思うとついついこちらの要求も高くなります。バレエはダンサーだけで成り立つものでなし。今日気になったのはピッコロとトランペット。フルートは場面によってやや抑え目で上品な演奏をしていたのに、今日のピッコロ(特に『レ・シルフィード』)は何だかやたらキンキン音が鳴っているみたいで、せっかくのショパンの旋律が台無しでした。あとは、難しいのはわかるけど、トランペットのソロが『ペトルーシュカ』の肝心な場面(バレリーナがラッパを吹いて行進する場面とペトルーシュカが亡霊となって現れる場面)で何で音を外す?あ~あ…。NBSさん、そろそろオケ変えません? 口直し。ツッコミどころもありましたが、どれも1時間以下の小品なのにここまで中味の濃い舞台を見られて大満足でした(^_^)v。あ~、楽しかった!! 指揮:ワレリー・オブジャニコフ 演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 ピアノ:尾崎有飛(「ペトルーシュカ」)
一昨日は久しぶりに神奈川県民ホールに出向いてミハイロフスキー劇場バレエの『白鳥の湖』を見たわけですが、ちょっと遠いな~と思う反面、冬の夕方の公演だとお楽しみもあります♪
3階客席前方のロビーから。大桟橋の左側には赤レンガ倉庫も見えます。 ![]() 2階と3階の間の階段から。窓ガラスのせいでちょっとくすんでいますが氷川丸と大きな月。 ![]() 終演後の県民ホール。 ![]() 夜の公演だと夜景が楽しめる反面、帰りが遅~くなるので冬の寒さがこたえることもあります。今回のように3時開演、6時頃終演というのはちょうどいい時間です。ちょっと遠くても文句を言ってはいけませんねf^^;。
ミハイロフスキー劇場バレエ 白鳥の湖
神奈川県民ホール オデット/オディール:エカテリーナ・ボルチェンコ ジークフリート:マラト・シェミウノフ 悪魔:ウラジーミル・ツァル 道化:アレクセイ・クズネツォフ 王妃:ズヴェズダナ・マルチナ 家庭教師:イーゴリ・フィリモーノフ パ・ド・トロワ:ワレーリア・ザパスニコワ/エカテリーナ・クラシューク アンドレイ・ヤフニューク 小さい白鳥:アンナ・クリギナ/エカテリーナ・ホメンコ マリーナ・ニコラエワ/ヴェロニカ・イグナツェワ 大きい白鳥:ワレーリア・ザパスニコワ/マリア・グルホワ/アステリーク・オハネシアン スペイン:オリガ・セミョーノワ/クリスティーナ・マフヴィラーゼ デニス・モロゾフ/アレクサンドル・オマール ハンガリー:アンナ・ノヴォショーロワ/ミハイル・ヴェンシコフ ポーランド:オリガ・ラヴリネンコ/アーラ・マトヴェーエワ アレクセイ・マラーホフ/フィリップ・パルハチョフ イタリア:ナタリア・クズメンコ/ニキータ・クリギン 指揮:ヴァレンティン・ボグダーノフ ボルチェンコのオデット、オディールがとにかく素晴らしい公演でした。ここのバレエ団の白鳥は、ざっと記憶にあるだけでハビブリナ、ステパノワ、ペレン、シェスタコワ、コシェレワといった色々なプリマのオデット/オディールを見てきましたが、その中で今日のボルチェンコは一番私好みのオデット/オディールでした。ペレンのような輝くばかりの華はなく、むしろどこまでも澄み切った透明感があり、オデットを演じているときはその透明感とオデットの悲しい運命がピタリと合っていて、ジークフリートとの出会いの場面ですでにウルウル…。ペレンが煌びやかな宝石だとするとボルチェンコは純度・透明度100%の水晶といったところでしょうか。触れたら壊れてしまいそうな繊細さの中にどこか芯の強さを感じさせるような不思議な魅力がありました。 ところが第3幕のオディールではまるで別人かと思うような妖艶さ。ペレンのオディールは「これだけの美貌なら王子が参っちゃっても仕方ないよね」なのですが、ボルチェンコの場合はじわじわと王子を催眠術にかけて最後に落としてしまうような感じ。ある意味、ボルチェンコの方が真綿で首を絞めるような怖さと残酷さがあります。第2幕のあの消え入りそうな透明感はどこ行った?しかも技術的にはペレンより安定しているかな?と思いました。オデットでもオディールでも終始安心して見ていられる感じでした。 王子のシェミウノフはねえ…う~ん…一番気になったのが膝。彼の骨格のせいなのか筋肉のつき方のせいなのか、アラベスクのように後ろの脚を上げると長ーい脚がピンと伸びていなくて膝が曲がっているように見えてしまうのが何とも残念。ジークフリートはそういう振り付けが多いだけに気になって、気になって。もっとも今日はボルチェンコの踊りと演技が素晴らしくて、ほとんど彼女に意識が行っていたせいか不満は残らないものの、言い換えれば王子の存在感がそれだけ薄かったとも言えるかも。でもこの作品はそれでいいのかな。ただ、第4幕のジークフリートはとても印象的でした。何よりも全身全霊をこめてオデットを守るたくましさがビンビン伝わってきて、ここはシェミウノフの高身長が最大限発揮された場面かも。ここで初めてシェミウノフがカッコイイと思えましたf^^;。そういえば4日前に見た海賊はコンラッドのルジとメドーラのペレンはイチャイチャしてたけどラブラブ感はあまりなかったっけ。それに比べると今日のシェミウノフとボルチェンコの方がラブラブ感があったな~。 第3幕まであまり王子っぽくなかったシェミウノフと比べると、トロワのヤフニュークの方が「立っているだけで王子様」感はありました。別にあら探しをしているわけではないのですが、ヤフニュークは脚の線はきれいだし一つ一つの足運びも丁寧で気品があるのに腕が硬そう。ないものねだりをしても仕方ないと思いつつ、今日のジークフリートがサラファーノフだったら最高なんだけどな…と思ってしまいました(-_-;)。ごめんなさい。 昨年のこのバレエ団の日本ツアーは結局パスしてしまったせいか、配役表をざっと眺めるとずい分となじみのない名前が目立つようになりました。でも道化のクズネツォフとかハンガリーのヴェンシコフなどの名前が目に入るとちょっとほっとしたりもします(*^_^*)。第3幕で目を引いたのはナポリのニキータ・クリギン。ナポリの男性ソリストは道化役が兼ねる場合もあるくらい、小柄な男性が踊ることが多いと思っていたのですが、クリギン(もちろん息子の方)はすらりとした長身。やっぱり親父さんの遺伝子が流れているんですね。しかもお父さんほどアクはない(笑)どころか容姿だけならシェミウノフより王子様らしいかも。とにかくずーっと嬉しそうに踊っていたのがいいです。あとは配役表に名前こそ載っていないもののチャルダシュの第2ソリストの男性がたぶんロマン・ペトゥホフとマクシム・ポドショーノフ。ペトゥホフもこのバレエ団の二世ダンサーなんですよね。お父さんはドン・キの闘牛士とかキャラクター色の強い役がはまっていたけど、息子は顔だけみると育ちの良さ丸出し、って感じ。でも海賊でフォルバンを踊っていたりするので、やはりこちらの親子も「血は争えない」? さて、今回の白鳥で注目したのはダンサーだけでなく新演出。基になっているのがゴールスキー版なので当たり前なのですが、私が過去に見た『白鳥の湖』の中では東京バレエ団の版が近いです。トロワの振り付けはほとんど同じ…かな?でも第2幕の湖の場面は東京バレエ団ほどうるさくありませんでした。足音だけでなく見た目も。ダンサーの配置とか振り付けは少し異なっていたようですし、何よりも洗練されたコール・ドの格の違いかもしれません。このバレエ団の伝統である「一糸乱れぬ」アンサンブルはほんの少しだけレベルダウンしたかな?と感じる場面もありましたが、もしかしたら単に版が違って私が見慣れていないせいだけかもしれません。それでも白鳥の群舞が24人並んで踊ると「ああ、やっぱりこのバレエ団のコール・ドのレベルは世界でもトップクラスだなあ」と思います。むしろ同調性という点では小さい白鳥の方に課題があるような気がしました。有名な「四羽の白鳥の踊り」の場面はさすがなのですが、第2幕の序盤と終盤でコール・ドの中で4人が踊ると「揃っていない感」が目立ってしまうのです。ちょっと残念。 このバレエ団の以前の版にはなかった道化が加わったのはいいです。先日の海賊でアルジェリアのソリストを踊っていたクズネツォフの踊りを見て「この人が白鳥の道化をやったらさぞかし似合うだろうな」と思っていたら本当に今日は道化で出てきて、今日も目の覚めるような切れ味鋭い技を連発してくれました。第3幕に道化と道化の女性たちの踊りが加わっているのは新国の牧版に近いですね。個人的な好みでどちらが好きか、と言えば、このバレエ団に関しては前のボヤルチコフ版の方が振り付けも衣裳も好きでした。欲を言えば、ボヤルチコフ版に道化を登場させてくれれば最高! 他に気がついた違いと言えば、第1幕の女性のコール・ドはトウ・シューズではなくキャラクターシューズだったし、ワルツの後に女王様登場、ではなく王子の短いソロが入っていましたっけ。第3幕の花嫁候補の踊りも何だかガチャガチャしていてこのバレエ団の良さを活かしきれていない感じがしました。そうそう、指揮者のテンポの取り方もときどき疑問に思うことがありました。ボルチェンコが音楽に合っていない、というより指揮者が溜めすぎて音が余っているような印象でした。それでもボルチェンコは恐るべきバランス力の持ち主でちゃんと耐えて音に合わせてポーズを決めるのですが、あまり気持ちのいいものではありませんでした。失礼を承知で言えば、ちゃんと舞台を見て振ってるのか?とツッコミたくなりました…と素人が言ってしまうのはあまりにも辛口すぎるでしょうか? …と、まあ色々ありますが、そういう細かなツッコミをすべて帳消しにしても余りあるほど、ボルチェンコの演技力もテクニックもすべて素晴らしかったです。次シーズンはぜひボルチェンコ+サラファーノフ+東京国際フォーラム以外の東京会場で『白鳥の湖』(それもできればボヤルチコフ版)を見たいです…っていくら何でもこの注文は無理か(笑)。ただ会場については、国際フォーラムを避けるためだけに横浜まで行くのもねえ。会場を妥協していたら間違いなくサラファーノフ目当てに昨日のソワレに行っていたわけで、そうしたらボルチェンコのオデット/オディールを見ることもなかったんですよね。そう考えれば今回の横浜行きは価値がありましたが…。東京文化会館なんて贅沢は言わないので、オーチャードホールか、確か池袋の東京芸術劇場も改装工事を終えてリニューアルオープンするので候補に入れてもよいのでは?
今日は朝から『NHKバレエの饗宴』のチケット取りのため、都内某所(いつも行くところ)のぴあステーションに並びました。さすがにこれだけ寒いと並ぶ人もあまりいないようで、A席のかなり良い所(ここ、S席でもいいんじゃない?くらいの席)が取れました。今年初のチケット取りは上出来!でも実は電話とかネットでもあっさり取れてたかもf^_^;。この調子で今年の大物公演のチケットを上手くゲットできるといいな~♪
ミハイロフスキー劇場バレエ 海賊
メドーラ:イリーナ・ペレン コンラッド:ファルフ・ルジマトフ アリ:レオニード・サラファーノフ ギュリナーラ:サビーナ・ヤパーロワ ランケデム:アレクサンドル・オマール ビルバント:ウラジーミル・ツァル セイード・パシャ:マラト・シェミウノフ フォルバン:オリガ・セミョーノワ/クリスティーナ・マフヴィラーゼ/ニーナ・オスマノワ ニコライ・アルジャエフ/ロマン・ペトゥホフ アルジェリアの踊り:アレクセイ・クズネツォフ オダリスク:タチアナ・ミリツェワ/アンナ・クリギナ/ワレーリア・ザパスニコワ 指揮:アナトーリー・リバルコ あ~楽しかった!今年の初バレエが『海賊』、それもルジマトフの新演出版は展開がスピーディーでこのバレエ団の良さを活かしています。さすが元芸術監督。従来の版をちゃんと活かしつつ、ダンサーのこともバレエ団の特徴もよ~くわかったうえで創られているので、ダンサー一人一人が本当に適材適所にピタッとはまっている感じで見ていて気持ちよかったし、本当に楽しめました。そういえば去年の初バレエはベルリン国立バレエの『シンデレラ』でマラーホフにさんざん笑わせてもらいましたっけf^^;。やっぱり年の初めはこういう楽しいものがいいですね♪ 第1幕は、ビルバントがコンラッドを裏切ってランケデムにメドーラを攫わせるところまで一気に展開して約1時間。踊りも芝居も見せて濃い1時間があっと言う間に過ぎました。奴隷たちの踊りはパレスチナとアルジェリアの2組があるのは従来の版と変わらないのですが、アルジェリアの奴隷が男性というアイデアは斬新でありながら、しっくり来ます。そうだよね、労働力のために男性の奴隷もいるのは不思議ないわけですし、あのテンポの速い力強い音楽には男性の踊りの方が合っています。何で今まで気がつかなかったんだろ?アルジェリアの踊りはソリストとしてクズネツォフが中央で見せ場を作る振付になっていて、これがまた大迫力!背の高いロシア人ダンサーの中では比較的小柄ですが全身バネのようなしなやかな体と抜群の跳躍力で鳥肌ものの演技を見せてくれました。彼ももうベテランさんですよね。この場面は従来の版よりルジマトフ版の方が絶対にいい!!このバレエ団の男性陣の特徴をよく引き出した演出効果の一つでした。 ランケデムがコンラッドを眠らせるのも花に眠り薬をかけてメドーラに渡させるという複雑な流れではなく、コンラッドとメドーラが海を眺めていちゃついている間にランケデムがほふく前進で忍び込んでワインに眠り薬を入れる、というマンガみたいなわかりやすい展開(笑)。これも気に入りました。 第2幕はセイード・パシャのハーレムでギュリナーラとパシャがじゃれている(?)場面から。この後の流れも従来の版と同じで、トリオ・オダリスクも活ける花園の場面もあって踊りをたっぷり見せてくれました。メドーラがビルバンドの腕の傷を見つけてコンラッドの前で彼の裏切りを暴く、という場面はありませんでしたがこういう小芝居を削ぎ落としたのもルジマトフ版の特徴かもしれません。他にもアリが「奴隷」ではなくコンラッドの「友人」という設定になっていたり、パ・デスクラヴでも、洞窟の場面でのパ・ド・トロワでもいちいちダンサーがお辞儀をしないためよりスピーディーな展開になっていたり、と細かいところにルジのこだわりが垣間見えるようでした。ダンサーのお辞儀に関しては賛否両論あると思いますが、物語の流れが途切れないという点では私は今日の演出の方が好感が持てます。ただ難点は、ダンサーが踊り終わると拍手が起きて、次の曲の冒頭が拍手の音で聞こえないことでしょうか。 今日の公演が素晴らしかったのはルジマトフ版の演出もさることながらやはりダンサー。ソリストからコール・ドに至るまで配役のはまり具合がピッタリで、思わず「適材適所」という四字熟語が浮かびました。その中でも特に絶妙だったのがコンラッドとアリ。ルジがアリではなくてコンラッドという発表に最初は「??」だった人も多いと思うのですが、ルジマトフ自身が持つベテランならではの貫禄が「首領」にピッタンコ!いやあ、年は薬ですね(笑)。技術的に派手な踊りはなかったのですが、「テクニックはアリが見せる」という位置づけが明確でした。そしてアリ役のサラファーノフが見事にその役割をきっちり果たしていました。まあよく跳んでよく回ること。東京文化会館の舞台が狭くて気の毒に思えるほどでした(-_-;)。彼の本当に凄いところはただ跳躍が高いとかたくさん回れるとかいう単純なテクニックではなく、何をやっても美しいこと。それも王子様のようなノーブルさはとりあえず置いておいて、美しさの中にも海賊ならではの野性味があり、技術的にはコンラッドより高度なことをやっているのに決してコンラッド、メドーラ、ギュリナーラ以上に目立っていないところでした。凄いよ、サラファーノフ。勝手な想像ですが、マリインスキーを離れたことで肩の力が抜けて、彼の本来の良さが伸び伸びと発揮できるようになった? 女性二人のバランスもよかったです。やっぱりペレンはプリマになるべくしてなった人なんだと改めて実感。高身長のうえに長~い手足。しかもその腕の使い方が本当に美しいんです。ときどき長い手足をもてあましているように見えてしまうバレリーナもいる中、彼女にはそんな様子が微塵もなく自分の持ち味を最大に活かしています。登場したときは「ん?ペレン、ちょっと太った?」と思ったり、テンポが速い踊りだと踊り方がやや雑に見えてしまうときもあったのですが、活ける花園の場面のアダージョではたくさんのコール・ドに囲まれていても絶対的な輝きを放っていて、彼女のオーラは誰にも出せないと思いました。 一方、ギュリナーラ役のヤパーロワは小柄でチャーミングでペレンとは異なる個性の持ち主なので、この好対照が良かったです。彼女もペレンとは違った可憐な華やかさがあって、彼女が舞台に出てきたとたんにパッと明るくなるような印象です。そんな可愛らしい外見ながら技術的には隙なし。ある意味、ペレンより安心して見ていられました。小柄なプリマの代表としてこれからの活躍にますます期待です。 隠れたツボはセイード・パシャのシェミウノフ。あのかさ増し衣裳(?)のおかげで、一つ間違えば悪目立ちしそうな高身長逆効果が薄れてはいますが、ハーレムの場面で小柄なヤパーロワと並ぶとやっぱりデカい。ほとんど踊らず、まるっきり三枚目の役を踊っているシェミウノフを見ていたら思わず「ぷぷっ」という感じでした(笑)。 活ける花園のコール・ドはこのバレエ団にしてはちょっと不揃いな感じがして、「およよ…この後の白鳥は大丈夫かな?」と思ったものの、終盤に向けて調子を上げ、最後はダンサー全員がドヤ顔(してるわけないけど)で決めているような、アンサンブルとしてのまとまりが感じられました。 ルジの演出で一つだけツッコミたいのが冒頭のメドーラの衣裳。ギュリナーラは青い空と海を思わせるような眩しい青でこれはGood job!。でもメドーラの衣裳が他の娘たちとあまり変わらないのです。(よ~く見ると刺繍が凝っていたりはするんだけど、デザインとか色合いがほとんど一緒。)そうなるとギュリナーラだけが目立ってしまって、こちらが主役なのかと間違えそう。今回はたまたまペレンが圧倒的な華を持つダンサーなのでギリギリOKでしたが。いっそのことギュリナーラも同じような色合いにするか、メドーラはギュリナーラと同じデザインで色違い(カトレア色とか)の方がいいかな~、と。あ、でも洞窟のパ・ド・ドゥでギュリナーラがありがちなピンクとかカトレア色とか青じゃなくて金色だったのはいい意味で意表をつかれました。でもこれも賛否両論ありそう^^;。 ナチョ・ドゥアトが芸術監督に就任したのに、今回のツアーではドゥアトの作品が一つもないことには疑問がないわけではありません。今はまだドゥアト色よりルジ色の方が強い感じはしますが、今後、このバレエ団の伝統的な強みを残しつつ、ドゥアトがどんな風に新しい息吹を吹き込んでくれるか楽しみです。
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